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織り

新しい織物は想像力から始まります。たとえば、思い描くのは「どこにでもあるようで、どこにもない、機能性を極めた美しいタオル」。良いタオルの条件は<肌触りのよさ><持続する柔らかさ><洗濯後の速乾性>、そして<吸水性と保水性><軽量感とボリューム感>といった相反する特徴も持っています。これらの条件をすべて満たすタオルをつくることは可能でしょうか?
ここでは、そんな理想のタオルづくりにトライしてみましょう。

1.タオルの設計でまず最初に考えるのは使用する糸です。
タオルはタテ糸、ヨコ糸、パイル糸の3種類で構成されています。機能性と風合いを重視したタオルは、パイルに細番手の単糸を使うことがベターです。そしてタテ糸は強度が重要。ヨコ糸は、タテ糸とのバランスで選びます。このような条件で考えて…

○パイル糸…大正紡績のオーガニックスーピマ綿でできるだけ甘く撚ったの40番手の単糸
○タテ糸…オーガニックスーピマ極細番手の双糸
○ヨコ糸…オーガニックスーピマで甘く撚ったの40番手単糸
という具合に設定してみました。
(ちなみに、ここでは表面から見えないタテ糸に一般オーガニック糸ではなく、あえて超長綿のスーピマ極細双糸を使うことに、重要な意味があります。そのココロは…。今のところ秘密にしておきましょう)

2.次に考えるのが織物組織と使用する織機です。
細番手の単糸をパイル糸として使う場合は、筬(おさ。タテ糸の密度を決めるもの)の込んだ織機が必要です。
タオルの代表的な生産地、今治の平均的織機は筬50番ですが、これでは細番手の単糸をきれいにそろえて織ることはできません。そこでタテ糸の密度が4割〜5割増の筬70番という織機を探すことになります。ところが、このような織機を保有している機屋さんは全国で400軒近くあるなかで数軒しかありませんでした。

3.タテ糸密度を決め、パイルの長さとヨコ糸密度を何段階かに設定します。

こうして試作しては、できたタオルを使ってみるということをくり返すなかで、理想的なパイルの長さと重量を決めていきます。実際に製品化するにあたっては、同時に価格も想定しながら本番生産に入ります。

実は、こうして「構想10年、試作1年」をかけて出来上がったタオルこそ『天衣無縫スーピマ40/1』なのです。このような商品開発は、生産現場の技術者との事前の打ち合わせで、新しい織物がイメージされる創造的な信頼関係がなければ実現できません。『スーピマエンジェルタオル』、『スラブガーゼタオル』、着心地の良い『ダブルガーゼのパジャマ』、薄くて軽い細番手の『ブラウス』、低速機で織る天女の衣のような『ショール』、ふわふわガーゼの『ベビー服』など、人気のある天衣無縫製品の生地はこうして生み出されています。

「当たり前のように見えて当たり前でない織物」。これが天衣無縫の織物の目標です。